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2018.07.25

外陰部掻痒症について

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回は外陰部掻痒症についてお伝えします。

◆外陰部掻痒症とは

外陰部から肛門にかけておこる強いかゆみや痛痒くなる症状の総称を外陰部掻痒症といいます。
外陰部の一部または全体に、強いかゆみや痛痒さを感じるようになり、かゆみのある部分が赤くなる場合もあります。
運動後や入浴時などの体が温まった時にかゆくなったり、締め付けの強い下着や履物の摩擦による刺激で我慢できないほどのかゆみに襲われる場合もあります。
この際に患部をかきむしって傷ができてしまうと、化膿の原因になってしまうので注意が必要です。

◆原因と治療方法

●外陰部の乾燥
特に閉経後に多く見られる原因で、女性ホルモンの分泌が減少し、外陰部周囲の皮膚粘膜に委縮が起こることで、乾燥による慢性的なかゆみや不快感、皮脂腺分泌物の不足が起こります。
不足している女性ホルモンを補うことによって症状は改善します。ですが投薬を中止すると症 状が再び悪化する場合があります。細菌、真菌等の感染症によって難治性になっている場合やまれに白板症、パジェット病などの前がん病変がある可能性もありますので、定期的に検診を受けるようにしてください。

●感染症
性成熟期に現れる外陰部のかゆみの場合、ばい菌の感染によるものが原因が多く、免疫力が低下していなければ普通の細菌に対しては皮膚に炎症を起こすまでには至らず、その後自浄作用により自然と治ります。
ところが免疫力が落ちている場合や夏などの湿気やすい時期の場合、カンジダと呼ばれる菌が通常以上に繁殖しやすく、感染すると強いかゆみを伴います。ほかにもHPV(ヒトパピローマウイルス)感染により外陰部にかゆみを感じる場合もあります。
治療には感染した菌にあわせた薬の服用や塗布を行います。市販薬のかゆみ止めなどは感染の再発と共に薬によるアレルギー、二次感染と症状が悪化する場合もありますので、扱う場合は十分な注意が必要です。

●皮膚過敏症
細菌感染によるかゆみや、下着やおりものシートなどによるむれや摩擦でかゆみが起こる場合があります。
日本人はもともときれい好きな人が多く、必要以上に体をきれいに保とうとして、体内を洗う時に石鹸を使って強く擦ったりした場合、体内の菌の感染を防ぐために備わっている常在菌がいなくなってしまい、機能が十分に発揮されず、細菌感染に対して弱い状態になってしまう場合があります。
石鹸などの洗浄力が強すぎるもので外陰部や膣内は洗わないようにし、むれやかぶれ予防として、通気性がよく締め付けすぎない下着を選んで着用するようにしましょう。

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