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2016.09.01

性感染症「尖圭コンジローマ」とは

横浜の皆さま、こんにちは!! 田渕 レディース クリニック院長 の田渕 です。
前回は「性器ヘルペス感染症」についてご案内させていただきました。
今回は「尖圭コンジローマ」についてご案内いたします。

性感染症「尖圭コンジローマ」

尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが原因となる性感染症で、性器や肛門のまわりにイボができる病気です。HPVは人にのみ感染するウイルスで、良性のHPVは尖圭コンジローマ、悪性のHPVは子宮頸がんの原因になります。
人の皮膚や粘膜の傷などから感染し、性行為や口唇性交によって口へ感染する病気で、性行為だけでなく、公衆浴場なども感染の要因になりえます。
感染率が60~80%と非常に高く、男女問わず20代に多いといわれており、性感染症のなかでも、性器クラミジア感染症、淋菌感染症、性器ヘルペスウイルス感染症についで多く報告されています。
尖圭コンジローマの患者数が減少しない理由の一つは、コンドームの使用率が低いことがあります。日本はコンドームの生産大国として知られていますが、それに反して使用率は低くわずか40%ほどで、世界的に見ても使用率の低い結果が出ています。

HPVに感染すると1~2カ月ほどの潜伏期間を経て、性器とその周辺、肛門、足の付け根部分などにイボができます。口に感染した場合には唇や口の中できることもあります。
非常に再発する可能性が高い病気で、3ヵ月以内に約30%は再発するといわれてます。
他の感染症と一緒に感染した場合を除き、このイボはかゆみや痛みをあまり感じないことが多く、見えない部分に出来た場合気付くのが遅れてしまいます。
イボは大きくなったり、周辺に同じようなイボがたくさんできたりすることも多いですが、このイボは治療することができます。
ウイルスはイボの周りの皮膚にも潜在しており、治療をしない限りイボはどんどん増え続けることになるので、自然治癒に期待してしまうのは大変危険です。
尖圭コンジローマに感染していると、局所の傷害のためHIV(エイズ)感染を受けやすい状況となるので、HIV感染率が10倍以上に高まるという報告もありますので、尖圭コンジローマが疑われる場合は速やかにクリニックで診察を受けるようにしましょう。
また母子感染で新生児への感染もあり、赤ちゃんの咽にイボができると呼吸困難になり命に関わることがあります。妊娠中の場合は、分娩までには治療することが必要です。

検査・治療

尖圭コンジローマの予防についてはコンドームの使用はある程度効果的です。ですが、コンドームに覆われていない部分にもウイルスが潜伏していることもあるため完全に予防することは難しいのが現状です。
自覚症状がある場合は、早期にクリニックへ行くことをお勧めします。また、パートナーと一緒に感染している場合が多いので、二人一緒に受診・治療をする必要があります。
ウイルス自体を完全に取り除くことは難しいのですが、イボは外科的に取り除くことができます。最近ではベセルナクリームというコンジローマ治療薬によってイボを治療することもできます。
再発性の高い病気ではありますが、半年以上新しいイボが出来ておらず検査にも反応がなければ完治したと考えてよいでしょう。

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